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一冊の本に誘われて

Photo_3個人的に湖西(琵琶湖西岸)の山々を気にいっている。自宅からそれほど遠くないし、関西では珍しく素敵なブナ林が残っているからだ。そして一冊の本に出会ってから、ますますこの地域の山に愛着がわくようになった。

草川啓三の『近江湖西の山を歩く』(ナカニシヤ出版)は、朽木や野坂山地の山々を紹介した本だ。ガイドブックの体裁をとりながら、単なる案内ではなく優れた紀行になっている。静かな、森の水音が聞こえてくるような、なぜかみずみずしい文体に魅了される。著者のこの山域に寄せる愛情が伝わってくるようだ。

著者は「琵琶湖西岸の山々を歩いていていつも思うことだが、これほど美しい地が他にあるだろうか」という。そしてこの美しさは琵琶湖と冬の季節風がもたらす降雪によるものだろう。稜線をたどっている時、ふと振り返って眺める琵琶湖の美しさは格別だ。冬の雪がつくりだした日本海ブナ帯の樹林と琵琶湖の景観の絶妙な組み合わせが、この山域の魅力なのである。

ブナ林だけならもっとすばらしい場所は他にいくらでもある。西日本でも白山や大山のブナ林はすばらしい。でも琵琶湖はここにしかない。しかもこの辺の山は、京都北山の山々と同じで、古くから人々の生活と密接に結びついた山々だ。かつて琵琶湖と日本海を行き来するのに使われた峠道も多く、歴史の山々でもあるのだ。

ひっそりとたたずむ名前も聞いたことがない山、道も定かでない山を、この本で知った。この本に導かれるように、著者の足跡を自分でもたどってみる。たいていは誰にも会わない静かな山旅を楽しめる。さして高い山があるわけではないが、ブナの森、かつて交易に使われた峠道、山里の村、清冽な水の流れ、心に染み込むような山が多い。

この本との出会いに感謝したい。テレマークやMTBを使った私なりのやり方で、近江湖西の山歩きを楽しもうと思う。


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