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ブラックピーク2(NZ)

2002年8月、ニュージーランドにテレマーク修行に出かけた。ワナカ近くのBlack Peakへの3日間のスキーツアーの記録。(文章は当時のものを掲載しています。)

翌日は大荒れだった。雪が降りしきり、おまけにガスで視界がない。ガイドは行けるところまで行こうという。シールで上へ上へと登っていく。1時間ほど登ったところで、ガイドが「もうこれ以上は危険だ。下ろう」と言う。パウダーだったが、視界がないためはぐれないようにゆっくり降りる。

小屋に戻って休んでいたら、アメリカ人の山スキーヤーの2人組が小屋にやってきた。同じようにブラック・ピークを目指したが悪天候のため途中で引き返したということだった。これから、テントまで戻るという。強風で小屋ががたがた揺れた。夕方、翌日は嵐がくるのではやくトレブルコーンまで戻る必要があるとガイドが告げた。

朝早く小屋を出た。嵐につかまる前にスキー場まで戻りたかったのである。一昨日歩いたルートを逆方向にひたすら急いだ。一昨日、スキーを脱いで苦労した場所もすべてスキーをつけたままトラバースした。

途中の稜線上で昨日出会ったアメリカ人のグループが幕営していた。3時間ほどでスキー場上部の稜線に着いた。スキー場に向かって下る。スキー場のパトロールが爆薬を投げて、アバランチコントロールをしていた。不安定な雪を落としてしまうのである。スキー場を滑り降りたころから、急速に空が暗くなり、激しい雪が降り始めた。


ガイドの車でスキー場から未舗装の道を下る。ここトレブルコーンのアプローチ道路はがけのような急斜面につづら折でつけられている。降雪でタイヤが滑り始める。スタッドレスタイヤのような気のきいたものはない。車をコントロールすることが難しくなり、停車してチェーンをつけることにした。

突然、上から車が滑り落ちてきた。まったく制御不能状態である。逃げまどう私たち。車は私たちを通り過ぎて、山側の斜面に突っ込んで停止した。ほっとする間もなく、次の車がやはり左右に頭を振りながら滑っていった。がけから落ちると心配したが、これもなんとか山側の斜面にぶつかって止まった。
そこいらじゅうで車がスタックしている。まったく山より恐ろしい。チェーンをつけてゆっくりゆっくり下った。途中で除雪車とすれ違ったので、上の状況を話し、スタックしている車の救出をお願いした。ワナカまでなんとか帰ることができた。

お世話になったガイドについて、オーストラリア人の山スキーヤーは「彼は気さくでいい人だ」と賞賛していたが、うちの奥さんは2度とあのガイドの世話にはなりたくないと言う。ひとさまざまであるが、ガイドツアーに関する考え方の違いがあるのだろう。あちらではガイド登山であっても、基本的に「自分自身の責任で」(at your own risk)が原則なのかもしれない。

私自身はよい経験ができたと思った。考えて見れば、ただブラック・ピークの小屋まで往復しただけだったが、初めて海外で泊りがけのスキーツアーができたのだ。ルートの取り方なども勉強になった。このAspiring Guides社では、以前にもNick Cradock氏にカードローナBCを案内してもらったことがあった。彼は信頼できる素晴らしいガイドだった。ワナカ周辺でスキーツアーをしたいなら、ここを訪ねるのがよいだろう。


コメント
楽しく読ませていただきました。
15年ほど前のこととはいえ、ガイドのアバウトさ、雪道の状況など、なかなかすさまじいスキー旅だったのですね。
それにしても、こういう状況であちらの人と英語でやり取りできるtsさんは、仕事柄とはいえ、さすがです。私なら尻込みして言いたいことも言えず、後でトラウマになってしまいそうです。
>やまねこさん

この夏はいろいろあって旅に出られませんでした。
ブログを書くにも新しい材料がなく、昔の記事を引っ張り出して投稿することでお茶を濁しています。

古い旅の記録を読み返していると、あの時自分はこんなことを感じていたのかと改めて気づくことが多いです。

小さな冒険でもよいのです。迷いながら、悩みながら、新たな行動を模索していかなければいけないなあと思うこの頃です。
  • ts
  • 2016/09/10 10:45 PM
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